「人生会議」について考える

こんにちは。今回は、高齢者の方やそのご家族にとって大切な話題である「人生会議」について、私自身の経験や考えをお話ししたいと思います。

人生会議という言葉をご存知でしょうか?
私は訪問介護事業所で働き始めてから、様々な高齢者の方やそのご家族と関わってきました。その中で、人生の最終段階における医療やケアについて、前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い共有する取り組みがあることを知りました。それが「人生会議」というものです。

人生会議を行うメリットは、自分の意思や価値観を家族や医療・ケアチームに伝えることができることです。それによって、自分が望むような医療やケアを受けられる可能性が高まります。また、もしも自分が意思表示ができなくなった場合でも、家族や医療・ケアチームが自分に代わって適切な判断をしてくれることが期待できます。

私は人生会議の重要性を実感した出来事があります。それは、ある高齢者の方が亡くなった時のことです。その方は、自分の望む医療やケアについて、家族や医療・ケアチームと何度も話し合っておられました。その結果、最期は自宅で看取られることになりました。その方は穏やかな表情で亡くなられましたが、その時の家族の様子が忘れられません。家族は悲しみに暮れていましたが、同時に安堵感も感じていました。その方が自分らしく安心して最期を迎えられたことを確信していたからです。

私はその時、「人生会議」は本当に大切なことだと思いました。自分の意思や価値観を伝えることで、自分だけでなく家族にも安心を与えることができるのだと感じました。

人生会議は、高齢者の方やそのご家族にとって大切な話題です。人生会議では、自分の意思や価値観を家族や医療・ケアチームに伝えておくことで、自分らしく安心して最期を迎えることができるのだと思います。

※厚生労働省は6月2日「2022年度:人生の最終段階における意識調査の結果」を発表しました。その中で、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)について触れられています。ACPとは、もしものときのために、自分が望む医療やケアについて、前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みのことです。「人生会議」とも言われているものです。