訪問介護の未来:骨太の方針2024から読み解く

先月6月21日に政府が閣議決定した「骨太の方針2024(経済財政運営と改革の基本方針 2024~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~)」には、訪問介護を取り巻く環境の変化と今後の方向性が詳しく記されています。国の大きな方向性を示す方針に、特に重要な項目として「介護」が取り上げられたことは、特筆すべきことだと思います。今回は、その中から特に重要なポイントをわかりやすく解説します。

1. 全世代型社会保障の構築

全世代型社会保障とは、子供から高齢者まで、すべての世代が安心して暮らせる社会を目指すための社会保障制度です。この制度は、年金、医療、介護、子育て支援など、幅広い分野にわたる改革を含んでいます。現役世代と高齢者の負担割合を見直し、より公平な負担を目指しますことも俎上にあげられています。また、女性や高齢者が活躍できる社会の実現も目指しています。

2. 医療・介護サービスの提供体制

高齢者人口の増加と人口減少に対応するため、限られた資源を有効に活用し、質の高い医療・介護サービスの提供体制を確保します。具体的には、医療・介護DXの推進、ロボット・デジタル技術やICT・オンライン診療の活用、タスクシフト/シェアなどが挙げられます。

3. 介護従事者の確保と処遇改善

人口減少による介護従事者不足が見込まれる中、医療機関との連携強化や介護サービス事業者のテクノロジー活用が進められます。また、外国人介護人材の確保も重要な対策として挙げられています。これにより、介護従事者の処遇改善や業務負担軽減が図られます。

4. 口腔健康管理の充実

口腔の健康状態と要介護の状態との間に密接な関係があることが分かり、今年度から介護保険においても、口腔連携強化加算が創設されました。これら、全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠を活用し、国民への適切な情報提供が行われます。生涯を通じた歯科健診の推進やオーラルフレイル対策、歯科専門職による口腔健康管理の充実が図られます。

5. 介護保険制度の改革

介護保険制度については、利用者負担の見直しやケアマネジメントに関する給付の在り方が検討されます。また、高齢者向け住宅の入居者に対する過剰な介護サービス提供の問題や、介護人材の確保に関する課題も取り上げられています。

まとめ

「骨太の方針2024」では、訪問介護を取り巻く環境が大きく変わることが予想されます。テクノロジーの活用や介護従事者の処遇改善、外国人介護人材の確保など、多岐にわたる対策が講じられる予定です。これらの動向を踏まえ、ヘルパーの皆さんも今後の変化に柔軟に対応していくことが求められます。.

いかがでしたでしょうか?
私たち訪問介護に携わるものも、自分たちの仕事を取り巻く環境を把握することで様々な課題に目を向けてゆけたら幸いです。