自閉症の利用者さんに対する支援

こんにちは。
私たちの仕事は、要介護高齢者への訪問介護サービスなのですが、障がい者に対する支援も行っています。その中で、知的障がい者の外出支援などもしていますが、知的障がいの方の多くが自閉症も持っています。

自閉症とは、どのような障害なのでしょうか?
自閉症は、発達障害の一種で、生まれつき脳の働き方に特徴があることによって、人とのコミュニケーションや社会性に困難が生じる状態です。自閉症には、さまざまなタイプや程度がありますが、一般的には以下の特徴が挙げられます。

・対人関係の形成や維持が苦手であること
・言葉や非言語的な表現を理解したり使ったりすることが難しいこと
・特定のものや行動に強くこだわったり、反復したりすること

これらの特徴は、人によって現れ方や程度が異なります。
例えば、言葉を話せる人もいれば、話せない人もいます。また、人と関わろうとする人もいれば、無関心な人もいます。自閉症はスペクトラム(連続的な範囲)であると考えられており、その個性や特性は一人ひとり異なります。
また、知的障害と自閉症は、別々の障害ですが、合併することもあります。

自閉症の行動障害やこだわりは、その人の関心や欲求に応じてさまざまな形で表れます。以下はその具体例です。

・変化を受け入れられない:自分なりのルールや習慣があり、その変更を受け入れることが苦手です。少しでもそのルールや習慣が変更されるとパニックになったりします。例えば、同じ行先には同じ道順で行きたがる、食べるものや食べ方や食べる順番など一定のルールを守りたがるなどです。

・同じことを繰り返す:気に入った遊びや刺激・行動を延々と繰り返したり、終えられない・切り替えられないことがあります。例えば、ブロックやミニカーなどを一列に並べ続ける、体を前後にゆする 、手をひらひらさせるなど単調な身体の動きを繰り返す「常同行動」がみられることもあります。

・新しいことや環境に対して拒否反応を示す:自分が経験したことのない環境や見通しの持てない(何が起こるかわからない・想定できない)状況を受け入れることが難しく、その場にいることや参加を拒否したりします。例えば、初めての場所や人に行くのを嫌がる 、予定が急に変わると動揺するなどです。

自閉症の行動障害やこだわりは、その人の脳機能の特性によって起こってしまうものであり、本人も自分の意思でコントロールできないことが多いです。周囲からは理解が得られないことが少なくありませんが、強制的にやめさせたり叱責したりしても効果がなく、かえってストレスとなってしまいます。
自閉症の人は、自分の特性や個性を理解し、それに合わせた支援を受けることで、より快適に生活することができます。