社会保障審議会介護給付費分科会資料にみる来年度改正の具体的イメージ【11月27日】
こんにちは。今日は、来年度の介護保険法改正に向けて、社会保障審議会介護給付費分科会で検討している素案が発表されましたので、解説したいと思います。
いよいよ、具体的なイメージが固まってきましたね。次期改正は、私たち事業者にとっても大きな影響があります。特に、以下の2点については注意が必要と感じました。
①3つに分かれていた処遇改善加算の一本化
②業務継続計画BCPの未作成や虐待防止措置の未実施の事業所に対する基本報酬の減算
まず、処遇改善加算の一本化ですが、これは現在の介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算の3つの加算をひとつに統合するというものです。これにより、事務手続きの簡素化や職種間の賃金配分の柔軟化などのメリットが期待されますが、一方で、要件も厳しくなります。特に、職場環境等要件については、現行の処遇改善加算は24項目中1つ以上やればよかったものが、一本化後は、取り組むべき項目数が大幅に増える予定です。また、年次有給休暇の取得促進や研修受講支援などの取り組み内容も具体化されます。これらの要件を満たすためには、事業所の努力が不可欠です。
次に、業務継続計画BCPの未作成や虐待防止措置の未実施の事業所に対する基本報酬の減算ですが、これは令和3年度改正で追加されたもので、移行期間の終了に伴って来年度から適用されます。業務継続計画BCPとは、感染症や自然災害などの不測の事態が発生した場合でも、最低限のサービス提供が維持できるようにするための方針、体制、手順などを示した計画です。虐待防止措置とは、利用者の人権を尊重し、虐待の発生を防止するための方針、体制、手順などを示した措置です。これらの計画や措置を策定し、従業者に周知し、必要な研修や訓練を実施することが義務付けられています。もし、これらの義務を怠った場合は、基本報酬が減算されることになります。(実際の減算までには一定の移行期間が設けられます。)
以上のように、来年度の介護保険法改正は、私たち事業者にとっても節目となるよう内容です。改正に備えて、事前に情報を収集し、必要な対策を講じておくことが大切ですね。ヘルパーの皆さんにも、あかしあが取り組んでゆくものを、順次お知らせしてまいります。