持続可能な社会保障制度【2023年5月11日】
※本記事は、「『全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案』資料「財政各論③:こども・高齢化等」財務省 2023年5月11日」の各頁の要約概要を、AIに文章化させたものです(一部、人間が加筆、推敲)。
去る5月11日に行われた財政制度等審議会・財政制度分科会で、少子化対策や社会保障制度の改革について議論され、その中でも介護保険制度の改革の必要性について話し合われました。
現在、介護費用は医療以上のスピードで増加しており、10年後には団塊世代が85歳以上となることから、介護費用がさらに激増することが予想されています。
しかしながら、介護費用を支える保険料・公費負担の上昇や介護サービスを支える人材確保には限界があります。
そこで、国はICT機器の活用による人員配置の効率化、協働化・大規模化による多様な人員配置、給付の効率化を、3年に1度の制度見直しにおいて、毎回、着実に進める必要性があると提言しました。
具体的には、ICT機器を活用して業務負担を軽減し、データに基づいて介護サービスの質の向上を図ることで、限りある人的資源で必要な介護サービスを確保しようとするものです。
一方、国が示した報告によると、コロナ禍においても介護事業者は安定した収益をあげていることから、介護事業が将来的にも安定的なビジネスとして成立し続けるために、ICT機器の活用や人員配置の効率化が不可欠であると分析されました。
介護人材の必要数が増大する中、ICT機器の活用は今後ますます重要な課題となっていくことが予想されます。
また、2024年度改正の次、2027年から2029年にかけての第10期計画期間に向けて、介護保険事業においては、要介護1,2の訪問介護・通所介護についても地域支援事業への移行が必要とされています。
この移行については、以下の事項が結論を得るべきとされています。
まず、要支援者に対する訪問介護・通所介護については、地域の実情に応じた多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を行うことが必要とされ、2018年3月末までに地域支援事業へ移行が完了しています。
今後も介護サービスの需要が大幅に増加する中で、全国一律の基準ではなく、人員配置や運営基準の緩和などを通じて、地域の実情に合わせた多様な人材や資源の活用を図り、必要なサービスを提供するための枠組みを構築する必要があります。
そこで、第10期介護保険事業計画に向けて、要介護1,2の訪問介護・通所介護についても地域支援事業への移行を目指し、段階的にでも生活援助型サービスをはじめ、地域の実情に合わせた多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を可能にすべきだとされています。
これにより、地域の介護サービスの質と量を向上させることが期待されます。
加えて、介護保険制度におけるケアマネジメントの利用者負担の導入と、介護事業者が民間の人材紹介会社を利用する状況に対する規制強化についての資料も提示されています。
まず、ケアマネジメントについては、介護保険制度の導入にあたり、要介護者等が積極的にサービスを利用できるようにする観点から、利用者負担を取らない例外的取扱いがなされてきたとのことです。
ただし、介護老人福祉施設等の介護施設においてケアマネジャーが行う施設サービス計画の作成等に係る費用については、基本サービスの一部として利用者負担が存在しており、施設と在宅の間で公平性が確保されていないという問題があります。
そこで、第10期介護保険事業計画期間から、ケアマネジメントに利用者負担を導入すべきであるとの提言がなされています。
続いて、介護事業者が民間の人材紹介会社を利用する状況も課題として俎上にあげられています。
5割の介護事業者が人材紹介会社を活用しており、年収の30%程度が手数料の相場水準となっているため、手が不足している一部事業者が、高額の経費を支払っている現状があります。
さらに、人材紹介会社を介する場合には、採用した人材の離職率が高いとする調査もあり、必ずしも安定的な職員の確保に繋がっているとは言い難い状況にあります。
介護職員の給与は、公費と保険料を財源としており、本来は職員の処遇改善に充てられるべきものであるため、介護事業者向けの人材紹介会社については、本人への「就職お祝い金」の禁止など現行の規制の徹底に加え、手数料水準の設定など、一般の人材紹介よりも厳しい対応が必要との指摘があります。
本件に関して、ハローワークや都道府県等を介した公的人材紹介を強化すべきとしています。
以上が、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案で提出された内容になります。
来年2024年4月には介護保険の次期改正があり、その際には、2027年度改正において検討、改正すべき内容も示されることになります。
社会保障制度全体の中で、介護保険制度がどうあるべきかは、私たち一人ひとりが考えてゆかなければならない課題でもあります。